新着情報
福岡市の交通事故相談に強い弁護士事務所
福岡市中央区高砂1-24-20 ちくぎん福岡ビル8F
新着情報
投稿日:2022年08月09日
/ 更新日:2023年10月05日
目次
「示談」とは、お互いに譲歩して折り合うことのできる点を探し出し紛争を解決する合意のことをいいます。示談交渉は、この示談に向けた交渉のことをいいます。
交通事故という非日常的な経験をされたことや、入通院などによる物理的・精神的負担などから加害者や相手の保険会社に対して感情的に対立してしまうのもある意味当然です。しかし一方で、被害者であるからと言って、被害者の主張する内容が全て受け入れられるわけではありません。
あくまで示談は、双方の話し合いによって、相互に譲歩して終局的な解決を行うことになります。
交通事故において、「示談する、示談した」とは、「示談書」や「免責証書」といった書面を、相手方又は相手方(加害者)の保険会社と取り交すことを言います。(書面の名前は、保険会社によって異なりますのでご注意ください。)
この書面の取り交わしにより、被害者及び加害者との間で紛争を終局的に解決する合意が成立したことになります。
まず、弁護士に相談をせずに被害者自ら交通事故の示談交渉をするメリットはないと言っていいと思います。
相談料は、有料のところでも30分5500円ですが、扱っている内容からすると安いともいえます。
さらには、初回無料で相談対応してくれるところも多いし、弁護士費用保険特約があれば相談料はそもそも保険で支払われるため、弁護士に相談をせずに被害者自ら示談交渉をするメリットはないと言っていいでしょう。
次に、弁護士に依頼をせずに交通事故の示談交渉をするメリットとしては、弁護士費用がかからないという点が大きいと思います。
しかし、弁護士費用保険特約があればその弁護士費用も保険で支払われるので実質的にかかりません。
また、弁護士に依頼をするだけで慰謝料などの増額が見込めること等からすると、弁護士費用保険特約がない場合でも弁護士に依頼をした方が良いといえる事案も多数あります。
弁護士に依頼をせずに、自分で示談交渉をするデメリットは、示談金額が少額となる傾向にあるという点です。
相手保険会社は、相手が弁護士でなければ、慰謝料などを裁判基準・弁護士基準では支払わないことがほとんどです。
交通事故に関しては、相手保険会社は多数の案件を取り扱っているセミプロです。弁護士に相談や依頼をせずに自分で交通事故の示談交渉をしようとしても、気づかぬところで不利な解決になってしまいます。
また、自分でやろうとすると、手間暇がかかるほか、交通事故の交渉に慣れた保険会社と直接やり取りをしないといけない為、時間的にも精神的にも負担が大きいといえます。
弁護士に依頼をすれば、時間的負担、精神的負担から解放されます。
弁護士に相談せずに自ら交渉をして示談をするというのは、やめた方が良いでしょう。その事案での示談金の相場というのは実際に弁護士に相談をしなければなかなかわからないからです。
示談交渉について、弁護士に相談・依頼することで、自ら相手の保険会社と交渉する時間的・精神的負担がなくなり、被害者自ら示談交渉を進める場合よりも、ずっと高額な賠償額で示談ができる可能性が十分にあります。
たしかに、被害者自ら交渉をしても、相手保険会社から提示される賠償額よりも増額した示談金を取得することは出来ます。
しかし、相手保険会社は、被害者自らが交渉により多少の増額を見込んだ金額を提示してきますので、被害者自ら交渉して最初の示談金提示額より増額したとしても、弁護士に依頼した場合の示談金には到底及ばないことがほとんどなのです。
交通事故の示談交渉は、弁護士に必ず相談・依頼するべきでしょう。
まずは、警察への事故の報告、負傷者がいればその救護、他の車両などの交通の妨げにならないようにすること等が必要です。また、実際上は、自分の契約している保険会社やその保険代理店へ電話連絡を入れる必要があります。
次に、通院治療についてです。交通事故の被害者の方に、全く過失がない又は過失が小さい場合で、事故態様等から受傷が認められるときは、加害者が加入している任意保険会社が、治療費や通院交通費など治療関連費を全額負担し、直接支払いをしてくれます。
これは「一括対応」「一括」などと言われています。おり、弁護士事務所に法律相談に行かれたとき等に「相手方から一括対応はありますか?」など尋ねられることがありますので、ご自身の治療費等が一括対応されているのかどうかを確認しておきましょう。
ご自身の交通事故が一括対応されるかどうかは、過失割合や保険会社によって異なります。もし一括対応がされなければ、ご自身で一括対応してもらえるように、加害者が加入している任意保険会社と示談交渉を行う必要があります。
また、一括対応されなかった際には、今後の通院をどのように行うのかを検討しなければなりません。不安がある方は、早めに弁護士に相談し今後のスケジュールを確認すれば、安心して治療に専念することができるようになります。
他方、加害者が任意保険に加入していない場合には、直接加害者と示談交渉を行う必要がありますが、双方当事者間で事故状況の認識について大きな隔たりがあったり、感情的な対立などから示談交渉がスムーズに進まないケースもあるので注意が必要です。
どのような状況であれ、交通事故に遭い被害者となった場合には、早めに弁護士に相談することを強くお勧めします。
ケガの状態や事故態様にもよりますが、保険会社は概ね交通事故日から3ヶ月~6ヶ月で一括対応の打切りを打診してきます。
保険会社の支払期間が「治療を続けてもそれ以上症状の改善が望めない状態」(このことを「症状固定」と言います。)時までとなっていることが影響しています。
治療の打切りを打診された時に、まだ治療を必要としている場合には、加害者が加入している任意保険会社と示談交渉する必要がありますが、治療の終了時期を決めるのは保険会社ではなく、あくまでも主治医の先生です。
治療を続けたい、まだ治療の必要があると考えるのであれば、その旨を主治医の先生にしっかりと伝えなければなりません。
診察の際に、どこが、どのように、どれくらい痛むのかをできるだけ具体的に明確に伝えておくことが大切です。
保険会社と示談交渉を行っていても、無下に一括対応を打ち切られる場合もありますが、多くの場合には、打ち切り前に保険会社から加療や治療継続の必要性などについて被害者の通院先へ医療照会が行われています。
被害者の方が、通院の都度、その時感じている痛みや回復の程度などについて、主治医にしっかり伝えておくことで、保険会社の医療照会に対しても、患者に有利な回答をしてくれる可能性が高まります。保険会社に対して、加療や治療継続の必要があると回答してくれる可能性が大きくなるのです。
交通事故の慰謝料額の算定と、後遺障害14級の認定にあたっては、通院治療の状況が参考とされます。
そのため、医師から必要だとされた通院治療を適切に継続する必要がありますが、痛みなどの症状はあるが治療効果が認められなくなった場合にはその時点で症状固定として後遺障害診断書を書いてもらうことになります。
また、慰謝料の算定は、通院実日数と通院期間を基礎として算定されます。
そのため、仕事など忙しさを理由として、通院治療をしなければ、ケガの治りは悪くなるうえ、慰謝料なども受領できず、さらには症状が残っているのに後遺障害も認定されないということが起こることになります。
なお、被害に遭われた方が整骨院への通院されているケースで、毎日通院されていることがありますが、その場合施術費用の一部が自己負担となる可能性がありますので、注意が必要です。
裁判例などから、通院治療は2日に1回程度が目安だと考えてください。また、整骨院へ長期間通院しても、整形外科への通院が少ないと、自賠責保険は後遺障害等級をなかなか認定してくれません。自賠責保険は、専門医である整形外科医の診断を重視するからです。
事案によりも異なりますが、後遺障害等級が認定されれば、認定されない場合に比べ、最終的な賠償額が数百万以上増額される可能性があります。
治療期間が長期になり、後遺障害等級認定の申請も視野に入れている場合には整形外科に通院をメインとする必要があります。
後遺障害慰謝料を請求するためには、自賠責保険から後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
実務上6ヶ月未満の治療期間では、後遺障害等級が認定される可能性は著しく低いと言われています。後遺障害等級認定の申請を行いたいのであれば、この治療期間にも注意を払う必要があります。後遺障害等級の認定に通常必要とされる6か月以上の通院期間について、治療費が一括対応されない(治療打ち切り)時には、一括対応の継続について保険会社と示談交渉を行う必要があります。
もし一括対応がされない場合であっても痛みなどの症状が続くときは主治医と相談をして健康保険で通院を継続して、6ヶ月経過した時点で後遺障害診断書を書いてもらうという対応もあり得ます。
後遺障害等級認定の申請を行う際に必要となるのが「後遺障害診断書」であり、通院先の主治医に作成してもらう必要があります。後遺障害等級認定の手続きは、加害者側の任意保険会社に任せる「事前認定」と加害者側の自賠責保険会社を仲介する「被害者請求」があります。
後遺障害等級認定の申請を行う場合には、自賠責保険による後遺障害等級認定の回答があってから具体的な賠償額について示談交渉を行うことになります。
治療が終わる(症状固定)と、交通事故によって発生した損害額を計算しその合計額から既払い額を控除し、又は過失割合に応じた額を控除したものが損害額となります。
損害費目は下記の通りですが、個々の交通事故によって項目は、増減しますので、一例としてご確認ください。
損害額を計算した後、具体的な賠償額について示談交渉を行います。
・治療費
・看護費
・雑費
・通院交通費/通勤交通費
・家屋改造費・将来介護費
・葬儀費用
・弁護士費用
・休業損害
・逸失利益(後遺障害、死亡逸失利益)
・慰謝料(傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料)
示談の効力として、大きく2つの効力を挙げることができます。
1つ目は、「相手方及び相手方の任意保険会社が被害者に対して、示談で定められた額のお金を支払う」ことです。事故状況や治療期間によって金額が大きく見えることがありますので、既払い額など、文言や金額等は特に意識して確認を行う必要があります。
2つ目は、「示談で定めた以上のお金を相手方及び相手方(加害者)の保険会社に請求できない」ということです。
こちらについては、見落とされがちな点になりますので、要注意です。とりあえず今すぐにお金が欲しいからと示談を行い、後で追加請求しようと考えていても、示談後に追加で請求することはできません。
請求できる項目が漏れていないか、金額に納得できているかをよく考えてから示談を行う必要があります。
相手方(加害者)が任意保険に加入している場合には、相手方の任意保険会社が直接の交渉相手となります。
保険会社の担当者は、示談交渉のプロです。念入りに準備したうえで、示談交渉を行う必要があります。ご自身では難しい、不安だと感じる方は、一度弁護士に相談し、ご自身で示談交渉するかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。
請求したい事柄について、保険会社と交渉を行うためには、法的な根拠が必要となります。また、説明だけではなく根拠資料も必要になりますので、ご注意ください。
例えば、通院交通費としてタクシーを利用したとします。タクシーの領収書を保管しておくことはもちろん必要ですが、なぜ他の交通機関(バスや電車等)での通院が出来ないのか、徒歩で行ける範囲の病院では何故だめなのか等、保険会社から問合せがあります。
その際に、合理的な理由と根拠資料を示し説明する必要があります。
交通事故の示談交渉時に請求できる項目や金額の算定方法、必要な資料など抜けや漏れが無いように確認する必要があります。
そのためには、交通事故に関する知識を身につけておく必要があります。保険会社は、あくまで相手方(加害者)の保険会社であり、必要最低限の額で示談を行いたいと考えているため、被害者に有利な情報を教えてくれることは期待できません。
結局のところ、相手保険会社に勝る交通事故の知識経験を得ることはできないので、交通事故に強い弁護士に相談依頼をして、交通事故の知識経験を補う必要があります。
なお、生命身体侵害を理由とする損害賠償請求権については、被害者等が損害及び加害者を知った時から5年という消滅時効期間が定められているので(民法724条の2)、あまり長い期間放置することはできません。また、長期間が経過すると、現場の状況の変化や当事者や目撃者らの記憶の風化、証拠の散逸などを招くことにもつながり、被害者が不利な立場に立たされるおそれがあります。
弁護士に相談や依頼をするタイミングは早い方がいいといえます。
交通事故の示談交渉の場面では、通常は、相手保険会社がプロであるのに対して、被害者は初めての経験であり素人です。
そのため、相手保険会社に上手くことを運ばれて、気づかぬうちに本来受領できたはずの賠償金額よりも極めて少ない金額で示談をするということがあります。私たち弁護士は、提示された示談金が弁護士から見ると極めて少ないといった事案に、数多く出会っています。
私たち弁護士は、被害者の方に、交通事故の知識経験がある相手保険会社に言われるがままに示談をするのではなく、交通事故の損害賠償の実態を知っていただき、適切な損害賠償金額を受領していただきたいと考えています。
被害者の方は、是非、弁護士へ相談をして、弁護士の見解を踏まえて依頼をする方向で検討して欲しいと思います。
少なくとも私たち弁護士法人いかり法律事務所では、被害者の方が弁護士に依頼をした結果、損をするようなことが無いような料金体系をとっていますのでご安心ください。
また、弁護士費用保険特約を利用できるのであれば、実質的な費用の負担はありませんので、示談交渉は弁護士へ依頼することをまずは検討するべきでしょう。