コラム

治療費以外の治療関係費

治療費以外の治療関係費とは

交通事故で負ってしまったケガの治療費は、加害者側に請求することができます。ここでいう治療費とは、病院での診察や検査代金、入院料、薬代、手術費用等のことですが、病院以外での費用や、病院での特別の費用についても加害者側に請求することができる場合があります。

治療費以外の治療関係費としてよく問題になるものとして、以下のようなものが挙げられます。福岡にも整骨院は多数あり、交通事故事案では整骨院の施術費用が問題となる事案もあります。

整骨・接骨施術費等

むち打ちや神経症状、痛みを改善する方法としては、病院での治療以外にも、整骨院・接骨院での施術やマッサージなどの方法があります。人によっては、「温泉に入浴することで痛みが和らいだ。」ということもあるでしょう。これらの施術費、費用については、交通事故の賠償の場面では、病院での治療費とは区別されて取り扱われることがほとんどです。

整骨院・接骨院

国家資格である「柔道整復師」が施術を行う施設です。「骨接ぎ」と呼ばれることもあります。
もっとも、裁判になった場合には、医師の指示があったかどうか、その施術の効果があったかどうかが争いになることもあります。
また、後遺症が残ってしまった場合には、結局医師の診断を受けなければなりませんが、長期間、整骨院・接骨院だけに通っていた場合には、医師がその経過を診ることができていないため、後遺症の診断が困難になってしまう場合があります。

鍼灸、あんまマッサージ

「はり師」、「きゅう師」、「あん摩マッサージ指圧師」も国家資格であり、その資格者が行う鍼灸、マッサージは、医療類似行為と呼ばれています。

鍼灸、あんまマッサージの施術費は、残念ながら、整骨院・接骨院の施術費よりも、損害賠償の対象として認められにくい傾向にあるようです。

したがって、医師とよく相談したうえで、書面で通院の指示を受けておくとよいでしょう。

整体、カイロプラクティック

整体、カイロプラクティック、指圧などについては、国家資格がありません。

そのためか、整体、指圧、カイロプラクティックなどの費用は、基本的には認められないと考えた方がよさそうです。

温泉治療費

「湯治」という言葉もありますが、交通事故における損害賠償の対象として認められるのは、極めて限定的と言わなければならず、一般的な温泉の入浴料は、まず認められないものと考えてよいでしょう。

入院中の特別室使用料

個室などの特別な療養環境を利用した場合、特別な費用がかかるのが通常です。「個室費」「差額ベッド代」などと呼ばれたりします。地域や病院によって異なり、1日6,300円程度かかるようです。正確には、必ずしも「個室」でなくても、特別療養環境室の基準を満たすこともありますので注意が必要です。

基本的には、患者が「個室がよい」と希望してかかる費用であり、交通事故の損害賠償の場面でも、この費用が損害として認められないことがほとんどです。

ただし、症状が重篤であったり、空室がなかったりしたなど、本人の希望だけではない特別な事情がある場合には、この特別室使用料が損害として認められることがあります。

症状固定後の治療費等

症状固定とは、これ以上、治療の効果が認められない状態をいいます。

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症状固定後の治療費や、将来の手術費・治療費等、基本的には事故による損害とは認められず、仮に認められる場合があるとしても、極めて限定的です。

まとめ

病院での治療以外の施術が痛みの改善につながることはあるでしょうし、時間・曜日の都合で、病院以外の施術を希望するということもあるかと思います。しかし、交通事故の損害の賠償の場面では、その必要性、治療効果について客観的な判断が不可欠といってよいでしょう。病院以外の施術を希望する場合には、医師と十分に相談して指示・指導を受けることが必要です。
もし、治療の打ち切りや不払いなどでお悩みの際は、交通事故に強い、いかり法律事務所にご相談ください。