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福岡市の交通事故相談に強い弁護士事務所
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投稿日:2022年08月30日
/ 更新日:2023年10月05日
交通事故に遭って、大けがをした方、後遺障害の認定を受けた方を対象として、後遺障害がある場合の損害賠償において認められる後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などのうち、後遺障害逸失利益に焦点を当てて、交通事故に強い弁護士が解説をします。
目次
後遺障害逸失利益とは、交通事故による後遺症(後遺障害)のが原因で労働能力が喪失(低下)したために、将来に亘って得られなくなってしまう収入のことです。交通事故発生から症状固定まで得られなかった収入を休業損害といい、症状固定後に後遺障害によって得られなくなるであろう収入(減収見込み分)を逸失利益といいます。
休業損害 症状固定前(治療期間中)の減収分についての賠償 逸失利益 症状固定後(治療中止後)の減収見込み分についての賠償 |
簡単に言えば、後遺障害逸失利益は、①基礎収入×②労働能力喪失率×③喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算します。
この3つについて、以下でご説明します。
基礎収入は、事故前の収入または平均賃金を基に算定するのが原則です。
基礎収入については、以下のページも併せてご覧ください。
18歳未満の方の基礎収入は、平均賃金(令和3年度令和3年賃金構造基本統計調査)を参考に算定します。
死亡逸失利益は、将来の収入の見込みについて賠償を受けるものです。
したがって、若年者で実際の年収が平均賃金より低い方の場合、将来的に平均賃金程度にまでは昇給するであろうという見込みのもと、低い方の実際の年収ではなく、高い方の平均賃金を基礎収入とします。
この若年者の一応の基準は、30歳と言われています。
後遺障害が認められたとしても、年金の減額がないことから、後遺障害逸失利益は認められません。
後遺症の等級に応じた労働能力の喪失率(低下率)が定められており、これが基準となります。あくまでこれは基準で、後遺障害の内容によって、喪失率の増減があります。
1級から3級 | 100% |
4級 | 92% |
5級 | 79% |
6級 | 67% |
7級 | 56% |
8級 | 45% |
9級 | 35% |
10級 | 27% |
11級 | 20% |
12級 | 14% |
13級 | 9% |
14級 | 5% |
この表を確認したらわかる通り、後遺障害等級の認定とその等級がとても重要だということです。医学的観点から後遺障害の認定可能性について調べる医療調査ができる弁護士に依頼をすることがとても重要です。医療調査についてはこちらをご覧下さい。
後遺障害によってどれくらいの期間の労働に影響が出るのかという観点で、労働能力喪失期間が決まります。
そして、その喪失期間に対応した係数(ライプニッツ係数)を出して、算定します。
就労可能年数は、症状固定のときから始まります。
また、就労可能期間の終期は、67歳または平均余命の1/2の年までとされています。
症状固定時ではなく18歳になったときから労働能力喪失期間を算出します。
ただし、大学・専門学校在学中の方や、進学見込みの方の場合、その卒業見込みの時を開始時とします。
実務上、「神経症状」による後遺症(後遺障害)については、永久に治ることのない障害というよりは、症状が長引いている慢性障害という考え方から、労働能力喪失期間が短めに認定されることがほとんどです。
12級の場合は10年程度,14級の場合は5年程度というのが相場です。
後遺障害逸失利益の賠償は、将来得るはずだった収入を先に一括で受けとることになるため、その期間の利息を割り引くという考え方をします。
後遺障害逸失利益の計算の場面で用いられる、この利息を定型化したものをライプニッツ係数と言います。
例えば、労働能力喪失期間が10年の場合、ライプニッツ係数は、7.722です(令和4年現在)。
基礎収入500万円、後遺障害等級8級、労働能力喪失期間10年の方の逸失利益は、2250万円ではなく、1737万4500円となります。
× 500万円×45%×10年=2750万円 〇 500万円×45%×7.722=1737万4500円 |
このライプニッツ係数は、今後、民法上の利息の見直し(法律上3年ごとに見直されることとなっています)によって変動します。
ここまで読んでもなかなか理解できないのが実際だと思います。実際の事例を見てみて下さい。
このように、後遺障害逸失利益の算定方法は、慣れていないと理解しにくいのですが、弁護士に依頼をすれば、難しいことを考える必要がなくなるだけでなく、裁判で認められる高水準での逸失利益を獲得することができます。是非、一度、弁護士に相談をしてみて下さい。