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福岡市の交通事故相談に強い弁護士事務所
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投稿日:2022年07月07日
/ 更新日:2023年10月06日
休業損害については、こちらも併せてお読みください。
ここでは、自営業者(事業所得者)の方の休業損害について、詳しく解説します。
休業損害とは、交通事故による怪我のせいで仕事を休んだために減ってしまった収入のことです。
休業損害は、1日当たりの基礎収入×休業日数で計算します。
自営業者(事業所得者)の方の場合、基礎収入=事故前年の年収の日割りで計算するのが通常です。
前年度の確定申告書等により基礎収入を証明します。
Q 事故前の収入(年収)は、「売上」のことをいうのでしょうか?
A 交通事故の休業損害を算定するための「基礎収入」は、確定申告書上の「売上」の金額でも「所得」の金額でもありません。
ごく簡単にいうと「売上」から「経費」を引いたものが「所得」です。
売上-経費=所得
そして、「経費」には、事故による休業のために逆に支払いが減ったもの(変動経費。例えば、仕入代や、営業車のガソリン代など)と事故による休業でも支払いが減らないもの(固定経費。例えば事務所・店舗の賃料など)の2種類があり、後者は損害に含めるものとされています。
したがって、休業損害における基礎収入は、「所得」に「固定経費」を加えたものとなります。
所得+固定経費=基礎収入
Q 通院治療期間中、ずっと店を閉めていたのですが、この期間の休業損害が認められますか?
A 通院期間全日について休業損害が認められるのは、限定的な場合のみです。
まず、入院期間中の休業については、店を開くことが不可能と考えられるため、通常そのまま休業日数として認められます。
通院期間中における通院日以外の休業については、怪我や治療の程度、事業の内容などによって「怪我の影響による休業」と認められる場合のみ、休業損害の計算のための休業日数として認められます。
Q 年末年始が繁忙期なのですが、このような場合も年収をもとに計算するのでしょうか?
A 月ごとの実態に応じて基礎収入を算定します。
極端な例ですが、「12月、1月の売上げが年の8割を占める」という事業をされている方において、事故の休業が「1月」だった場合と「9月」だった場合では、当然、収入に与える影響も変わるはずです。
このような場合、元帳・月次収支計算書・月次残高試算表等の資料から、休業損害の実態を把握して基礎収入を主張していくことになるでしょう。
Q 開業直後で前年の確定申告書がないのですが?
A 弊所にご依頼いただいた場合、代わりの手段を検討できます。
すでに事業をしていたけれども申告をしていなかったという場合、帳簿や預貯金通帳等から売上・経費が明らかにできれば、休業損害の請求は可能です。
また、開業直前や開業直後で前年に確定申告をしていないという場合には、事業計画、開業準備の程度、これまでの職歴等から、事業によって収入が得られたはずという見込みを立証していくことになると考えます。
この場合、基礎収入の算定のため、平均賃金や同規模・同業種の平均収入等の統計資料を用いることが考えられます。
Q 前年が赤字だったのですが、休業損害は請求できないのでしょうか?
A 事業の実態によっては、請求できる場合もあります。
まず、前年の赤字が前年限りの特別の事情によるときは、その事情による赤字額を除外して基礎収入を算定できる場合があります。
また、休業によって赤字幅が拡大してしまったときは、その拡大した赤字幅を事故による減収と考えることができる場合があります
Q 休業の間、家族の協力により事業を継続できたのですが、休業損害は請求できないのでしょうか?
A 例外的に請求できる場合もあります。
収入減がない以上、休業損害を請求できないのが原則です。
しかし、ご家族の事故前とは異なる特別の協力があったといえる場合など、例外的に一定程度の休業損害が認められる場合があります。
Q 法人化しているのですが、休業損害を請求できますか?
A 請求できる場合もあります。
社長と会社とは、法律上別人格と扱われるため、会社の損害(間接損害)について、社長の事故の加害者に請求することはできないというのが原則です。しかし、社長が1人で会社経営をしていて、社長=会社と認められる場合など、例外的に会社に生じた損害を請求できる場合があります。
併せてこちらもお読みください。
自営業の方の場合、サラリーマンの方(給与所得者)と比較して、休業損害に関して、多くのことが争点となり得ます。少しでも気になることがあった場合には、弁護士に相談してみましょう。