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投稿日:2022年03月09日
/ 更新日:2023年10月13日

 交通事故に遭ったのちに、保険会社から慰謝料の提示を受けたときにそれが適正なのか、示談をしていいのか悩まれる方は多いと思います。そこで、交通事故の慰謝料について整理してご説明をしたいと思います。結論としては、事案によりますが過失がない又は過失が少ない場合には、交通事故に精通した弁護士に依頼をすれば増額できることが多いということです。

交通事故の慰謝料の種類

傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つに整理できます。

傷害慰謝料

 傷害慰謝料は、交通事故に遭った後、治療期間終了までの痛みなどによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
傷害慰謝料は、痛みなどによる精神的苦痛に対して支払われるものなのですが、客観的に認定できる傷病の程度、通院期間や通院実日数を参考にして決定されます。実際には、赤い本に算定表が載っていてそれをベースに交渉や裁判が進められます。

後遺障害慰謝料

 後遺障害慰謝料は、交通事故によって後遺障害を負ったことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
後遺障害等級に応じて、弁護士基準でみると、14級110万円12級290万円といった一定の基準額があります。

死亡慰謝料

 死亡慰謝料は、被害者本人の精神的苦痛に対する慰謝料ですが、受取人は現実には遺族の方になります。また、被害者が死亡した場合には、それに伴い近親者には精神的苦痛が発生しますので、近親者固有の慰謝料もあります
合計で2000〜3000万円の間で認められている裁判例が多い。

交通事故の慰謝料の基準は3つある。

 自賠責保険基準任意保険会社基準裁判基準弁護士基準)と言われるものです。

交通事故の慰謝料が弁護士への依頼で増額する理由は?

 交通事故の交渉において、保険会社は、3つの基準のうち任意保険会社基準又は自賠責保険基準でしか提示をしないからです。
 弁護士に依頼をすると、弁護士基準・裁判基準になり、増額をするという構造が出来上がってしまっています。
 これは保険会社が本質的に株式会社という営利企業であり儲からないといけないことと、あくまでも加害者の示談代行をしているということから、支払う慰謝料額は少ない方がいいということが根底にあります。

自分で交通事故の慰謝料交渉をするより弁護士への依頼がよい?!

 保険会社は、弁護士以外の人が交渉をしても慰謝料額を弁護士基準・裁判基準に挙げることは少ないといえます。自分で交渉することで少しは上がるようですが、弁護士に依頼した場合の金額には届かないので、最初から弁護士に依頼した方が精神的負担も少なく時間的にも効率的と言えます。
 
 交通事故の慰謝料は弁護士へ依頼したら増額できる可能性が高いといえます。交通事故の慰謝料は、どうしても保険会社が弁護士基準に届かいない金額しか提示しないことがほとんどなので、弁護士に相談をした方がよいのは間違いありません。

交通事故の慰謝料などの増額交渉に強い弁護士に依頼をすべき。

 交通事故の取扱い件数が多いところは、慰謝料増額の交渉を効率的にできるように工夫をしているため、適切な見通しの下に快く相談・依頼を受けてくれると思います。
 また、交通事故に強い、専門的に取り扱っている弁護士は、慰謝料だけでなく損害項目の見落としがないかなどもチェックしてくれますし、後遺障害の有無も確認してくれるので、とても安心です。慰謝料増額だけでなく思わず大幅な増額をすることもあります。

交通事故の慰謝料増額交渉の弁護士費用は?

 交通事故の慰謝料の増額交渉を弁護士に依頼をするときには、まず弁護士費用保険特約が使えるかどうかを確認しましょう。
弁護士費用保険特約の利用ができる場合は、弁護士に依頼をして慰謝料増額ができても手取り金額が減るという事態は生じないと言っていいと思います。

 一方で弁護士費用保険特約がない場合は注意が必要です。法律事務所によって報酬の決め方が異なるので、よく相談をして決めてください。
依頼をした結果手取り金額が減るということもあり得ます。ただ弁護士は事前に説明をするでしょうし、そのようなときは依頼を受けないことも多いと思います。実際には、着手金は無料で報酬も増額分からの支払いだったり、損害賠償金額から支払いだったりして手出しはないことがほとんどです。

交通事故の慰謝料の増額幅が少ないときでも弁護士に相談をした方がいい

 そもそも交通事故の慰謝料の増額幅が少ないかどうかさえも弁護士に相談をしなければわからないと思います。
 たしかに2~3か月の通院の場合は大幅な増額が見込めないことが多いのですが、それでも10~80万円程度の増額ができる事案はあります。
 いかり法律事務所では、増額幅が少ない案件でも増額分からしか弁護士費用を頂かないようにして、依頼者に経済的な損をさせないようにしています。